◇この国の背景
国民全体の貧富の差が激しいこの王国は、大きな経済問題として、違法産業や出稼ぎ産業などが上げられる。
タイの違法産業は、特に麻薬産業、賭博産業、売春産業での分野が活発で、細かいところではアダルトビデオや脱税タバコの販売などが上げられる。これらの産業は警察、政治家などによって不法に保護されている場合があり、その撲滅には困難がつきまとっている。
◇生産者パートナー
●タイクラフト(Thai Craft)
事の発端は、数々の山岳民族の工芸品でした。
タイは北部が山岳地帯に囲まれており、点在している各々の村には、各々の伝統工芸があり、それを“売る”場を、バンコク国際キリスト教会が提供していました。それをタイクラフトが代わって行うようになりました。
タイでは、公共交通機関もなく、大通りから遠く離れた地帯で、自給自足に頼る村が少なくありません。今までは、そういった村では不確かな自給自足を支える補助的な仕事を探す為、家族から遠く離れ、街や時には外国に出稼ぎに行かざるを得ませんでした。
しかし、各々の村に伝わる独特な伝統手工芸や、地元特有の産物などを工夫して工芸品を作る事によって、その必要がなくなってきたのです。
しかも、近代化の波にのまれそうな伝統手工芸にとっては、大きな応援の風となりました。
ナン地方にはタイ・レイ族、ヒン族、モン族など、複数の少数民族がおります。彼らにとって、タイクラフトは、各々の伝統工芸を世界に発信する場となりました。
サラブリ地方のSaaburi Craftsでは、農業用のひもで、チャイナート地方では、ホテイアオイ(タイ内陸部の水路をふさいでしまうやっかいな雑草)で、実に魅力的なバックや家庭用品を制作しています。
タイクラフトは、当初、25の生産者グループの参加から始まりましたが、現在は約70グループの活動を支援しています。
障がいのある子供や、HIV感染者、売春婦、スラム街に住む女性を支援するグループなど、社会的支援が必要なグループも入るようになりました。
その中の1つに、貧しいディンディン地区の女性二人が発端となったグループがあります。彼女たちは、なんとテレビ番組からアイディアを得て、ワイヤーと再生紙を使い、昆虫の冷蔵庫マグネットからショッピングバスケットまで、美しく、カラフルで独創的な商品を作ってしまいました。この商品は国内外にとても人気があります。現在はこの地区のみならず、低所得のシングルマザーなどのたくさんの女性が参加し、自身や子供をサポートしています。
また、バンコクのスラム街の若い女性は、危険を伴うため、きちんとした仕事を見つける事ができず、貧困サイクルから中々抜け出す事ができませんでした。そんなグループを支援する為に、Proseed(スラムの事業開発による貧困削減事業)がドゥアン・プラティープ財団により設立されました。このグループでは、家族のために収入を必要としている若い女性たちが、地元の銀細工やビーズ商人から素材を仕入れ、魅力的なアクセサリーを作っています。これも、タイクラフトの人気商品の1つです。
前述のように、現在では、タイクラフトに所属するグループは、都市のスラム街から、人里離れた稲作地帯まで多くを網羅するようになりました。
タイクラフトは、「平等の精神のもと、現在ある約70グループの『家族』の価値と強さを支え、共にフェアトレードによって発展し続けたい」と言います。
こんな精神の人たちがいるからこそ、タイ王国は、多様な民族文化が織り成す魅惑的な国なのでしょう。
タイクラフトは、IFAT(International Fair Trade Association)に加盟しています。
【タイクラフトの商品】