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貿易担当からお届けするパートナーだより 『タ・プローム・シルク』

こんにちは。

Love&senseスタッフの原です。

貿易担当として、今日は私達のカンボジアのパートナーである『タ・プローム・シルク』についてお伝えしたいと思います。

タ・プロムシルクとパートナーシップを持ったのは2013年。それ以来、彼らの素敵な商品を日本のみなさまにお届けしてきました。

はじめにカンボジアについて

カンボジアは1991年まで約22年間内戦が続き、多くの人々が犠牲になりました。

特に学校の先生などの知識人とよばれる人々は、政権への反逆を恐れ、強制的に農村部に移住させられたり処刑させられたりしました。

長く続く内戦の中で、カンボジアの伝統産業など、失われたものも多くありました。

内戦後約30年以上経った今でも、影響を感じられずにはいられません。

例えば、
内戦時に埋められた地雷を踏んで犠牲になる人々。
手や足を無くした人々が着用する義手や義足をつくる人々。
地雷で失明し、盲目で音楽を演奏する人々。

パートナーのサムさんコンさん夫婦

私達のパートナーであるタプロムシルクは夫婦二人三脚でフェアトレードの理念に則りビジネスをしているのですが、奥さんのコンさんも、12歳の時に地雷で片足を失っています。

しかしコンさん本人はそれを悲観せず、デザイン・縫製という自分の強みを生かして日本に研修にきたり、様々なアイディアで、たくさんの商品を世に送り出してきました。

昔、ダイアナ妃にカンボジア代表としてシルクの商品をお渡ししたそうですよ。

そして夫のサムさんは、ビジネス全体を見る指南役。展示会に出展してたくさんのオーダーを受けたり、海外のパートナーと応答・交渉したりしています。

ビジネススキルだけではなく、2人の人を引き付ける人柄でいつのまにか2人のファンになってしまいます。

お二人は教育熱心!お子さんはインターナショナルスクールに通っているそうです。

同じような境遇のカンボジア人に仕事を

そんな二人のモットーは、「自立するためには、寄付や施しではなく仕事が必要」ということ。

タ・プローム・シルクのモットー 残念ながら、現在はこのお店はコロナの影響で閉店してしまいました。

タ・プローム・シルクで働くのは、コンさんのように地雷の被害にあった人、貧しい農村部出身の人、障がいを持っている人など、自分たちと同じ境遇の人々を積極的に雇用しています。

仕事としてものづくりをすることで、安定した収入が得られるだけではなく、人としての尊厳やプライドを持ってほしいということにつながると信じているからです。

彼らを見ていると、「強く前を向いて生きるということ」がどんなことなのか、考えさせられます。

現地に赴いて

タプロムシルクからはこれまで、カンボジアの伝統織物であるシルクのアクセサリーやストールリサイクル素材を使ったバッグなどを仕入れてきました。すべて生産者が心をこめて作ってくれた素敵なものばかり。

実は私も2018年タ・プローム・シルクや現地の工房を訪ねたことがあるのですが、彼らが協力しあって本当の家族のように支え合いながら生活し、ものづくりをしている姿が今でも忘れられません。

支えが必要なコンさんの肩を支えるサムさん。

工房で働く足の不自由な生産者の足をマッサージするコンさん。

できた商品を嬉しそうにサムさんとコンさんに見せる生産者。

日本とカンボジアのコミュニケーション

それからコロナになり、なかなか海外に行くことができていないのですが、だからこそ最近心がけていることは、「遠く離れているからこそ顔を見てコミュニケーションする」ということ。

現地にZOOMができるような安定したWi-fi環境がないかわりに、ビデオ通話アプリを駆使して顔を見ながらコミュニケーションするようにしています。

ミーティングと言っても、日本のオンライン会議のようなかしこまったものではありません。

こちらから電話すると、工房の部屋にいることもあれば、バイクに乗って移動中のこともあります。笑

移動中でした。(汗)

移動中でも電話をとってくれるやさしいパートナー😂

(もちろん、改めてかけなおしますよ!)

そんなゆるさもカンボジア人の穏やかで優しい気質だなぁと感じています。

そして顔を見て話すことで、「なんか良いことあったかな?」「ちょっと太った…?」「もしかして元気ないかな?」など、相手の変化に気づけるのも良いところ。

コミュニケーションを重ねるごとにより心の距離も近づいている感じがして、嬉しく思います。

少し難しいオーダーも、文章で伝えるよりもビデオ通話で実物を見ながら伝えるほうが効率が良くなっていることを実感しています。

不良率25%!からの・・・

今でこそ当たり前のようにお互いを理解しながらコミュニケーションできていますが、

当初はこちらの求める色や品質を正確に伝え、理解してもらうまでとても時間がかかりました。

あまり大きな声で言えませんが、過去には入荷したアクセサリー25%が不良ということもありました。(もちろん不良分も全て買取しました)

しかし、それが今では不良が0になることもよくあります!

(多少の不良が出る時もありますが…。汗)

フェアトレードの輪を広げるために

現地出張に行った時のミーティングの様子

手作業で心をこめて、一つ一つの商品をつくってくれる生産者の人々。

生産者が作ってくれたものを、私達に届けてくれるパートナー。

笑顔で手にとって、身につけてくださるお客様。

生産者の手からお客さまの手へ。

これからも、みなさまに素敵な商品を皆様にお届けし、フェアトレードの輪を広げていけたらと思います。


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