「CHILA BAGSと出会ったときのときめきは、5年経ったいまでも続いています」——CHILA BAGS日本代理店・濱七彩子さん×Love&sense高津玉枝対談

フェアトレードのセレクトショップLove&senseがいつも催事で販売させていただいているコロンビア・ワユー民族の手編みバッグCHILA BAGS』。そのデザイン性の高さから、世界中のファッションブロガーやセレブに愛用されています。日本で販売代理店を務める株式会社地水火風空の濱七彩子さんは、CHILA BAGSのどんなところに惹かれているのでしょうか。そして、フェアトレードに取り組むうえで大事にしていることは? Love&sense代表・高津玉枝との対談をお届けします。

 

 

CHILA BAGS
コロンビアの若手デザイナー・ラウラが2013年に立ち上げたブランド。コロンビア北部・グアヒラ半島の砂漠に住むワユー民族が日々の暮らしの中で使っている色鮮やかなワユーバッグにデザインを加え、つくり手と公平な条件で取引しています。
https://chilabags.jp/

CHILA BAGSの可愛さとストーリーに、ハートを鷲掴みにされた

(対談は、2022年4月二子玉川にオープンしたばかりのCHILA BAGSショールーム兼カフェ『SHIKI』で行いました)

高津:濱さんとCHILA BAGSとの出会いを教えていただけますか?

 

濱:出会ったのは2016年です。当時は会社に勤めながら有給を使って世界各国を旅していて、背景にストーリーがあり、日本では見たことがない手仕事を仕入れてこぢんまりとEC販売していました。そうしたなかで、ロサンゼルスのセレクトショップでCHILA BAGSに出会って、一目惚れというか……。

 

高津:ハートを掴まれた?

 

濱:鷲掴みにされました(笑)。見た目の可愛さはもちろん、コロンビアの砂漠に住むワユー民族の方々が、母から娘へと編み方を伝え伝統を繋いでいるという背景にも惹かれたんです。彼女たちにとって、編むことは知恵、知性、創造性の象徴なんですね。輸入も販売も素人でどうすればいいか何もわからなかったけど、とにかくこの商品を日本で紹介したいと思いました。

高津:最初は卸から?

 

濱:そうです。ただ、発注したいと問い合わせたのですが、何度連絡しても返信が来なくて。諦めずに問い合わせを続けていたらようやく返信をいただけて、そこから取引が始まりました。

 

高津:簡単には門戸を開けないというわけですね。現地には行かれたんですか?

 

濱:はい。デザイナーのラウラにコロンビアまで会いに行くと伝えたら、「編み手のいる北部の村に連れていってあげる」と。当時は“CHILA BAGSのデザイナー”以外の情報がなかったので、「もしかしてマフィアの愛人かもしれないし、誘拐して売られるかもしれない」と怖い想像を膨らませたりもしたんですけど(笑)、商品を説明するにしても、人から聞いたことをもとに話すのと、自分が見たこと、感じたことをもとに伝えるのとでは全然違うだろうし、行くしかないと覚悟を決めました。一応、「何かあったら大使館に駆け込んで……」と対策を練っていたんですが、実際に会ってみるとラウラは小柄で素敵な女性で、ほっとしました。

 

 

高津:村の暮らしはどんな感じでしたか?

 

濱:砂漠地帯なので食料も水も枯渇気味で、暮らしが天候に大きく左右されるし、地球とともに生きている人たちだなと感じました。死が近いところにある分、生のありがたみも喜びも知っていて、なんというか、すごく人間らしいなって。

 

高津:そういうことって、現地に行かないとなかなか実感ができませんよね。

 

濱:本当に。現地を訪問してCHILA BAGSへの想いが強くなって、ラウラに日本の販売代理店をさせてほしいと伝えました。ただ、それまで私に代理店の経験はなかったし、ラウラからすると私はどこの馬の骨かわからない外国人なわけです。だから、「考えさせて」と煙に巻かれてしまって。

 

でも、私は絶対やりたかったから、帰国して半ば強引に展示会に出展して、「こういうフィードバックがあったよ」「こういう取引先がこういうことやりたいと言っているよ」とラウラに伝えたんです。そうしたら、「じゃあこうするのはどう?」と返してくれて、日本での販売を任せてもらえることになりました。

背景を知ることで、ものへの愛着が増す

高津:熱意が伝わったんですね。でも、そこまで濱さんを突き動かしたものって何だったんですか?

 

濱:もともと、自分で何かを始めるなら、単純に「安く仕入れて高く売る」といった資本主義のルールに則った仕事じゃなくて、自分の行動によって笑顔が10にも100にも増えるようなものに取り組みたいという想いがありました。それがワユーの村に行って明確になったんです。

 

ワユー民族の暮らしは決して豊かとは言えず、伝統的なワユーバッグは地元のマーケットで安い価格で叩き売りされていて……。

 

 

高津:つくり手が教育を受けていないから計算が苦手で、材料費や手間賃、諸経費を考えずその日の生活のために安値で売ってしまい、貧困から抜け出せない。途上国ではよく目にする光景です。

 

濱:まさに。そうしたなかで、ラウラはつくり手とフェアな条件で取引し、お金を有効に使うための家計管理も教えているんです。つくり手が幸せになることでCHILA BAGSの生産も安定し、技術も向上していくと考えているんですね。そうした背景を知ることで、手に取る側も豊かな気持ちになれるのではないでしょうか。

 

使い手を含めたつくり手との三角形がいびつにならず、みんながハッピーになれる。これまで漠然と考えていたことがカチッとはまり、「これが私のやりたいことだったんだ」と思いました。

 

 

高津:すごく共感します。私も福市の前に経営していた会社では、「いかに安く仕入れて、いかに高く売るか」をクライアントに提案していたんですが、どこかで目詰まりが起きている、誰かが疲弊しているのをなんとなく感じていて。「これはいい循環なんだろうか」という疑問が湧いて、仕事に対するモチベーションが一気に下がってしまったんです。

 

商品に関わる人全員がリスペクトされ、全方位がハッピーになる。そういう仕事がしたいと思って福市を立ち上げました。フェアトレードに取り組んでいる人はみんなそう思っているだろうけど、やっぱり一番大事にしたいことですね。

 

“伝統そのまま”が必ずしもいいわけじゃない

高津:濱さんから見たCHILA BAGSの魅力ってどこにありますか?

 

濱:ワユーの伝統を活かしつつ、ラウラという若いデザイナーの感性がふんだんに取り入れられているところ。ストラップひとつとっても、綺麗に見える長さを追求しているんですよね。ファッション性が高いのでどんな場所にも持っていけるし、内ポケットもついていて使いやすい。見た目が可愛くて、機能的で、背景にストーリーがあって……語りだしたらキリがないですね(笑)。

高津:ファッション性や機能性は大事ですね。「少数民族のつくるものだから多少使いづらかったりすぐ壊れちゃったりしても許してね」という言い訳が透けて見える商品だと、最初の1回はチャリティ的にお金を出す人がいるかもしれないけど、継続していかない。

高津:ラウラさんの存在は大きいですね。Love&senseでも取引相手にアレンジを依頼することがあるのですが、一度タイのかごバッグにレースをつけてもらったら、リクエストと全然違うものができてしまって。聞くと、車を5時間走らせないとレース屋がないし、どこの店に何が置いてあるのかも、レースの種類もよくわからないと。つくり手に対して、努力の範囲を超えた負荷をかけてしまったなと反省しました。その点、ラウラさんは同じコロンビア人だから、「どこまでならつくり手の負担にならないか」がわかるでしょう。

 

濱:私も日本だけの柄をリクエストすることがありますが、ワユー民族の方々ができることできないことがわからないので、ラウラと相談しながら進めています。

 

高津:CHILA BAGSによって、現地の暮らしが良くなっている実感はありますか?

 

濱:コロナ禍になりコロンビアでもロックダウンが行われ、すべてのインフラが一時ストップしました。一番打撃を受けたのが、ワユー民族のようにその日暮らしを送っていた方々です。そうした状況でも、CHILA BAGSのつくり手は継続的な取引があったので生活していくことができたと聞きました。商品自体に魅力があり世界中で愛されているからこそ、つくり手の暮らしを守ることができるのだと思います。

 

きっと、使う人の人生も豊かになるから

(2021年日本橋高島屋のLove&senseポップアップショップ、今年も開催予定です)

 

濱:Love&senseさんの売り場からは商品に対する思いが伝わってきて、本当にわくわくします。それはきっと、スタッフさん自身が商品にわくわくしているからだと思います。何を買うかも大事だけど、どこで買うか、誰から買うかもお客様にとって大切な要素ですよね。私自身、Love&senseさんの売り場にいくといつも「またここで買い物したい」と思います。

 

高津:そう言ってもらえると嬉しいです。うちのスタッフ、みんなLove&senseの商品を身につけていますからね。強制でもないのに、会社に行ったらみんな制服みたいに同じシャツを着ていたり(笑)。

(より多くの人に、フェアトレードについて知ってもらいたいという想いで作ったオリジナルカットソー「marcoシャツ」。シルエットが美しく、二の腕、お腹やお尻、腰回りなど少しでもすっきりと細く見えるようデザインされた女性の悩みをカバーしてくれる魔法のシャツです。)

 

濱:marcoシャツの着こなしがそれぞれ違っていてすてきですよね。催事の際は私もときどき売り場に立たせていただいていますが、本当に楽しい空間で、バッグも喜んでいるなと感じます

 

高津:CHILA BAGSも、うちのスタッフは1人で2個3個と持っています。今日もスタッフから「新作をチェックしてきてください、待っている人がたくさんいるので」と指令を受けたんですけど、「待っているのは君たちでしょ」って(笑)。

 

でも本当に、CHILA BAGSってびっくりするくらいみんなに好かれる商品だなと思います。ファッションのテイストや年齢に関係なく、びっくりするくらいみんな好き。プルタブバッグもそうだけど、それひとつでコーディネートがバシッと決まるところがいいですよね。

(CHILABAGSのコーディネート)

 

濱:Love&senseのみなさんは、いつもCHILA BAGSを大事に扱ってくれるのでうれしいです。

 

高津:今後、Love&senseと取り組んでいきたいことはありますか?

 

濱:この対談のように、商品のストーリーを発信する機会をつくっていきたいです。Love&senseさんはいつも催事の前にSNSでCHILA BAGSを紹介してくださっていますが、ユーザーの方からコメントやフィードバックをたくさんいただけるのでうれしく思っています。そんなふうに、お客さまとストーリーを共有できることを一緒に模索していきたいですね。つくり手の想いが込められたものを持つこと、世界とつながっている感覚を持つことで、きっと使う人の人生も豊かになると思うから

高津:本当にそうだと思います。ぜひ一緒に発信していきましょう。最後に、濱さんご自身の今後の展望を教えてください。

 

濱:CHILA BAGSに出会って5年が経ちましたが、最初に感じたときめきがずっと続いていて、いまでも催事で並んでいる姿を見る度にドキドキします。私の身体の一部のような感覚だし、私の人生とともにあるなって。それくらい大好きなんです。

 

最近は同じようにCHILA BAGSに惚れ込んで仲間になってくれる方も増えてきて、いままでひとりで動いていたのとは違い、第2章が始まったなと感じています。そのなかで「SHIKI」をオープンし、口に入れるもので人や環境に優しいものも提供しはじめました。一見CHILA BAGSとは関係ない活動に見えるかもしれませんが、自分の中ではつながっています。こうした価値観に共感できる仲間やコミュニティを広げていけたらいいな、集いの場としてここを活用できるといいな、と思っています。

 

高津:いいですね。今日、こんなに晴れて気持ちのいい日にこの場所で対談できてよかったです。これからもよろしくお願いします!

 

<CHILA BAGS2022新作商品のご案内>

2022年春はストラップを自分で変えることのできるアイテムが登場! 6月8日〜6月14日に開催する日本橋高島屋Love&senseポップアップショップで販売するので、お見逃しなく。

<日本橋高島屋Love&senseポップアップショップ>

日本橋タカシマヤS.C
本館1階正面イベントスペース
 6月8日(水)→14日(火)
※営業日・営業時間につきましては日本橋タカシマヤHPをご覧ください。

 

<エシカル協会代表理事 末吉里花さん×Love&sense代表 高津トークイベント開催決定!>

【日時】6月12日(日)15:00〜15:40
【場所】日本橋髙島屋S.C 本館1階正面イベントスペース
【参加費】無料
※お申し込み不要でどなたでもご参加いただけます。
詳細はこちら

 

 

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(写真・文:飛田恵美子

 

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