貧困による格差が激しいブラジルで、現地の職人たちによって一つひとつ編み上げて作られている、プルタブシリーズ。フェアトレードの仕組みによって、その手仕事が安定した収入となり、厳しい環境におかれた女性たちの自立を支えています。
そんなプルタブシリーズを長年にわたり愛用いただき、Love&senseの取り組みを応援してくださる方へのインタビューを連載にしてお届けします。プルタブシリーズとの出会い、購入の決め手、そして使い続けるなかで感じていることなど、リアルな声をお届けします。
「持っていることが誇りになる。物語のあるものを選ぶ幸せ」
第五回は、一般社団法人エシカル協会代表理事の末吉里花さんです。

末吉さんは以前、TBS系列の番組『世界ふしぎ発見!』のミステリーハンターとして、約10年にわたり世界各地を旅されていました。そのなかで、美しい自然や立場の弱い人たちが犠牲になっている現実を、何度か目の当たりにしたことがあったそうです。
特に大きな転機となったのは、2004年にアフリカ最高峰・キリマンジャロに登頂したときのこと。山頂付近にある氷河が減少し、その雪解け水を生活に利用している地域の人々にも影響が及んでいることを知りました。ふもとの小学校では、「氷河が再び大きくなりますように」と祈りながら木を植える子どもたちに出会ったそうです。
帰国後、何か自分にできることはないかと環境問題に関わる活動を始め、そのなかでフェアトレードと出会いました。現在はエシカル消費を広める活動のほか、「エシカル・コンシェルジュ講座」や学校でのサステナビリティ教育にも力を入れています。
末吉さんが代表理事を務める一般社団法人エシカル協会では、エシカルという考え方を多くの人に知ってもらい、毎日の暮らしや買い物から持続可能な社会をつくっていくことを目指しています。企業や自治体、学校などとも連携しながら、エシカルな選択が当たり前になる社会に向けて、さまざまな活動に取り組んでいます。
そんな末吉さんは、プルタブシリーズを10年以上愛用してくださっています。この日持ってきてくださったのは、プルタブのコスメバッグ。商品名は「コスメバッグ」ですが、末吉さんは名刺入れとして使っているそうです。

プルタブシリーズとの最初の出会いを教えてください。
2014年に、私が『フェアトレード・コンシェルジュ講座』を開いていた頃、高津さん(福市代表)に講師として来ていただいたんです。その時にLove&senseの商品を紹介していただき、初めてプルタブシリーズを知りました。
実際に購入したのは少し後ですが、そう考えるとプルタブユーザーとしてはもう10年以上ですね。
初めて見た時、どんな印象を持ちましたか?
まず、見た目がかわいいことに感動しました。
2010年代の前半頃は、フェアトレード商品というと、民族衣装や途上国の雑貨のようなイメージを持つ方がまだ多かったと思うんです。プルタブシリーズは、そんなイメージを覆してくれた最初の商品の一つでした。アイデアもとても斬新で、「途上国で作られたもの」という、それまでの印象とはまったく違った。その時の驚きをよく覚えています。
もともとフェアトレードに関心がある人だけでなく、もっと幅広い人たちに知ってもらうためにも、こういう商品はすごく大切だと思いました。
それに、ブラジルの女性たちの仕事につながり、役目を終えたプルタブが別のものに生まれ変わる。かわいいだけでなく、貧困や資源循環など、いくつもの社会課題の解決につながっていることにも、とても感動しました。
コスメバッグを、名刺入れとして使っていただいてるんですね。
はい。最初から名刺入れとして使っています。
たぶん、どんな人の名刺入れよりも反応してもらってきたと思います。取り出した瞬間、皆さんの目がそこにいくんですよ。「それは何ですか?」「もしかして、プルタブですか?」「持たせてください」と声をかけてくださって、そこから自然に会話が始まります。女性だけでなく、男性からも本当によく声をかけられますね。
興味を持ってもらったら、ブラジルで作られていることや、フェアトレードの背景を説明します。丈夫で壊れにくいこと、見た目より軽いこと、たくさん入ること、アルミなので錆びにくいことも、思わず次々と話してしまいます。
末吉さんは学校での教育活動にも携わっていらっしゃいます。プルタブシリーズは、子どもたちの学びにどのように生かせると思いますか?
私たちは今、学校の探究学習に「エシカル・リーダー」を派遣し、子どもたちの学びに伴走する活動をしています。
エシカル・リーダーは、「エシカル・コンシェルジュ講座」を修了して条件を満たした方のうち、さらに研修を受けた人たちです。2025年に始まった取り組みで、一度だけの出張授業ではなく、同じ子どもたちと長く関わりながら一緒に学んでいきます。

プルタブシリーズは、子どもたちにとっても印象に残りやすい商品だと思います。使い終えたものを資源として生かすこと、一つのものを大切に長く使うこと、生産者さんの暮らしやフェアトレードのこと。一つの商品から、いろいろなテーマに話を広げることができます。
プルタブシリーズは、ものづくりを考えるきっかけにもなりそうですね。
そうですね。プルタブと同じものを作るというより、身近にある使わなくなったものを、どうしたら別のものに生かせるか。子どもたちと一緒に考えるきっかけになると思います。思わず使いたくなるようなものに作り替えるワークショップも、面白いですよね。
これまでの授業でも、子どもたちが着なくなった服をバッグに作り替え、保護者や地域の方が集まる場で販売したことがあります。子どもたちは手を動かしてものを作ることが本当に好きなので、こうした体験も学びにつなげていきたいと思っています。
最後に、まだプルタブシリーズを持っていない方へメッセージをお願いします。
作り手の顔が見えるものや、背景にある物語が分かるものを持つことは、人生が変わるくらいのきっかけになるかもしれません。
プルタブシリーズを持っていると、それを誇りに思う瞬間がきっとあります。誰かに褒めてもらった時に、その商品の背景や、自分が感じたわくわくを伝えることができる。そういうものを持っていることは、すごく幸せなことだと思うんです。一度そのよさを知ると、もう後戻りできないですね。
きっと誰かに声をかけられるし、自分の誇りにもつながる。私自身、このバッグを持っていたことで「幸せだな」と思ったことが本当にたくさんありました。だから、もう“推し”なんです。

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エシカルの第一線で活躍する末吉さんのそばで、10年以上にわたり、いろいろな場所へ出かけてきたプルタブのコスメバッグ。たくさんの人の目に触れ、会話のきっかけにもなってきた、相棒のような存在です。
お話を聞きながら、末吉さんに使ってもらっているこのコスメバッグは、幸せものだなと思いました。
そうお伝えすると、末吉さんから「本当に忙しいと思いますけどね。私があちこちに連れて行くので(笑)」という言葉が返ってきました。
これからもきっと、末吉さんと一緒にいろいろな場所へ出かけ、会話のきっかけになってくれるのだと思います。
末吉さん、ありがとうございました。
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